ホーム  >  多治見市・土岐市・可児市の不動産売却はセンチュリー21サグチ不動産  >  スタッフブログ  >  長崎県からわざわざ多治見へ。

長崎県からわざわざ多治見へ。
カテゴリ:スタッフブログ  / 投稿日付:2026/07/09 18:24

同業の社長ご夫妻と語り合った「売却相談をいただくための仕組み」と、私が大切にしていること
こんにちは。
センチュリー21サグチ不動産の佐口悟です。

最近、車の中で少し変わった勉強をしています。

何をしているかというと、資格試験の過去問解説をAIに音声化させて、それを移動中に聞いています。
昔なら、過去問集を開いて、赤ペンを持って、机に向かって勉強するのが当たり前でした。

もちろん今でも紙の勉強は大切です。
ただ、年齢を重ねると、座っている時間だけでは足りません。
査定に行く移動時間、現地確認に向かう車中、名古屋へ行く電車の中。
そういう細切れの時間も、うまく使わないともったいないなと思うようになりました。

AIが読み上げる過去問解説を聞きながら、
「この論点は、相続案件のときにお客様へ説明する場面があるな」
「この税務の考え方は、売却後の手残りに直結するな」
そんなことを考えています。

実は、不動産売却も同じです。

昔ながらの経験や勘だけでは、今の複雑な売却相談には対応しきれません。
相続、空き家、税金、解体費、家財処分、建築費高騰、人口減少、そしてネットからの査定依頼。
お客様の悩みは、以前よりもずっと複雑になっています。

だからこそ、私自身も学び続けなければいけません。

そんなことを改めて感じた出来事がありました。

先日、長崎県で不動産会社を経営されている社長と奥様が、わざわざ多治見の弊社までお越しくださいました。
目的は、私が日頃行っている売却相談への対応や、いわゆる「物上げ」の考え方を学ぶためです。

長崎から岐阜県多治見市までです。
決して近い距離ではありません。

同業の方が、そこまでして来てくださる。
これはありがたいことでもあり、同時に、私自身も身が引き締まる時間でした。

「物上げ」とは、単に売主様を探すことではありません

不動産業界では、売却物件をお預かりする活動を「物上げ」と呼ぶことがあります。

ただ、私はこの言葉があまり好きではありません。

なぜなら、「物件を取る」という業者目線の響きがあるからです。

私が大切にしているのは、物件を取ることではありません。

売主様が抱えている不安を整理し、最終的に手元に残るお金を最大化すること。

ここが一番大切です。

お客様は、単に
「いくらで売れますか」
と聞かれているようで、実はその奥に別の不安を抱えておられます。

例えば、

税金はいくらかかるのか
解体した方がいいのか
家財はどう処分すればいいのか
空き家のまま放置して大丈夫なのか
相続人同士で何を確認すべきか
いつ売るのが一番よいのか
売った後に手元にいくら残るのか
こうしたことです。

ですから、査定価格だけを伝える営業では足りません。

「高く売れます」
「うちは頑張ります」
「広告を出します」

これだけなら、どこの不動産会社でも言えます。

でも、お客様が本当に知りたいのはそこではありません。

売った後、自分はいくら残るのか。
そして、安心して次に進めるのか。

ここです。



同業の社長ご夫妻にお話ししたこと

今回の勉強会では、かなり長い時間、実務の話をさせていただきました。

ただし、ここでは具体的な細かな手順や設定方法は書きません。
同業他社の方もこのブログをご覧になっている可能性がありますので、そこは企業秘密です。

ただ、考え方だけはお伝えしたいと思います。

私が売却相談で大切にしているのは、大きく分けると次の4つです。

1. 初動の速さ

ネットから査定依頼をされるお客様は、複数の不動産会社へ同時に依頼されていることが多いです。

その中で大切なのは、単に早く電話をすることではありません。

早く、しかし雑ではなく。
早く、しかし薄っぺらくなく。
早く、しかしお客様にとって意味のある情報を届ける。

ここが大切です。

お客様は、電話で追いかけ回されたいわけではありません。
「この会社は、ちゃんと自分の不動産を見てくれている」
「この人は、表面的な査定ではなく、事情まで考えてくれそうだ」
そう感じていただくことが大切です。

2. 査定書は価格表ではなく、信頼をつくる資料

私にとって査定書は、単なる金額提示の紙ではありません。

お客様と話をするための土台です。

地域の状況、道路、駐車場、建物の状態、周辺環境、ハザード、人口動態、建築費の影響、税金、諸経費。
そうしたものをできる限り整理し、お客様が判断しやすい形にしていきます。

ただし、難しい専門用語を並べるだけでは意味がありません。

「なぜこの価格なのか」
「なぜ今この売り方なのか」
「なぜ解体を先にしない方がよい場合があるのか」
「なぜ最終手残りを見なければならないのか」

そこまでお伝えして、初めて査定報告だと思っています。

3. 専任媒介にこだわる理由

私は、売却をお任せいただく際、基本的に専任媒介にこだわっています。

これは、こちらの都合だけではありません。

責任を持って販売戦略を組み、販売状況を確認し、2週間に1回の活動報告を行い、必要であれば価格や見せ方を見直す。
そこまでやるには、やはり腰を据えてお任せいただく必要があります。

一般媒介で複数社に依頼することが悪いとは言いません。

ただ、情報の出し方がバラバラになったり、責任の所在が曖昧になったり、売れない理由の分析ができなくなったりすることがあります。

私は、お客様の大切な財産をお預かりする以上、
「なんとなく広告を出して、あとは待つ」
という売り方はしたくありません。

専任でお預かりするからには、こちらも覚悟を持ちます。

4. テクノロジーは、お客様のために使う

今回、長崎から来られた社長ご夫妻も驚かれていたのが、私が日常業務でかなりテクノロジーを使っていることでした。

音声の記録、会話内容の整理、追客管理、資料作成、広告の見せ方、画像の工夫、市場データの確認。
今は、昔では考えられなかったことができる時代です。

ただし、私はテクノロジーを見せびらかしたいわけではありません。

目的は一つです。

お客様の不安を減らし、判断しやすくし、最終手残りを少しでも良くすること。

例えば、居住中の物件や家財が残っている物件では、売主様のプライバシーに配慮しながら、買主様に伝わりやすい見せ方を工夫することがあります。

古い住宅の場合も、ただ「古い家です」と見せるだけでは、買主様はなかなか前向きになれません。
しかし、使い方や可能性が伝われば、見方が変わることがあります。

もちろん、広告として誤解を与えないことが大前提です。
そのうえで、買主様が暮らしをイメージしやすくなる工夫をする。

ここは、これからの不動産会社にとって非常に大切だと感じています。

多治見の現実を、正直に伝える

今回の勉強会でも、多治見の地域性についてお話ししました。

多治見市は、名古屋のベッドタウンとして発展してきた街です。
高度成長期からバブル期にかけて、多くの住宅団地ができ、多くのご家族が暮らしを築いてこられました。

しかし今、その世代の方々が高齢になっています。

お子様は名古屋、東京、大阪、あるいは県外へ。
親御様だけが実家に残り、やがて相続が発生する。
そして空き家になる。

この流れは、多治見だけではありません。
長崎でも、地方都市では同じような問題が起きていると、社長ご夫妻もおっしゃっていました。

一方で、建築費は上がっています。
土地を買って新築を建てるハードルは高くなっています。
若い世代の住宅取得の考え方も変わっています。

だから、昔のように
「土地にして売ればすぐ売れる」
「古い家は壊せばよい」
という単純な話ではなくなっています。

地域の需要、買主様の予算、建築費、解体費、リフォーム費、税金。
それらを全部見たうえで、どう売るかを考えなければいけません。

私は、お客様に厳しいことも言います。

「この価格では時間がかかると思います」
「先に解体するのは慎重に考えた方がよいです」
「表面価格よりも、手残りで判断した方がよいです」
「売る時期を間違えると、税金や保険料に影響する場合があります」

こうした話は、耳ざわりのよい話ではありません。

でも、私はお客様にとって都合のよいことだけを言う営業ではいたくありません。
後で困るのはお客様だからです。

手法よりも大切なもの

勉強会の中では、具体的なシステムの使い方や、売却相談への対応方法、査定書の見せ方、追客の考え方など、かなり実務的な話もしました。

ただ、最後に思ったのは、手法そのものよりも大切なものがあるということです。

それは、気概です。

お客様の大切な財産を預かる覚悟。
売れない理由を物件のせいだけにしない姿勢。
活動報告をきちんと続ける誠実さ。
税金や諸費用まで考えて、最終手残りを守ろうとする責任感。
新しい技術を学び続ける姿勢。
そして、面倒なことから逃げないこと。

不動産会社の仕事は、華やかに見える部分ばかりではありません。

査定書を作る。
現地を見る。
登記を確認する。
過去の事例を調べる。
税金を確認する。
お客様に報告する。
反響が悪ければ原因を考える。
値下げの相談をする。
クレームがあれば正面から受け止める。

地味な仕事の積み重ねです。

でも、その地味な仕事をどこまで丁寧にできるか。
そこに、不動産会社の差が出ると思っています。

同業の方が学びに来てくださる意味

正直に言えば、同業の方に自分のやり方を話すことには、少し怖さもあります。

自分が長年かけて作ってきた仕組みです。
失敗しながら、改良しながら、ようやく今の形になってきました。

簡単に真似されてしまっては困る部分もあります。

それでも今回、長崎から来てくださった社長ご夫妻とは、とても良い時間を過ごすことができました。

なぜなら、単にノウハウを盗みに来られたのではなく、
「どうすればお客様にもっと良い提案ができるか」
「どうすれば売主様に選ばれる会社になれるか」
という真剣な姿勢を感じたからです。

不動産業界は、まだまだ変わらなければいけない業界です。

昔ながらの勘と根性だけではなく、
データも使う。
AIも使う。
でも最後は人間が責任を持つ。

このバランスが必要です。

最後に

今回、長崎県から同業の社長ご夫妻が来店され、私自身も改めて多くのことを考えました。

私がやっていることは、特別な魔法ではありません。

お客様の話を聞く。
現地を見る。
数字を確認する。
税金や諸費用を考える。
売却後の手残りを考える。
販売戦略を立てる。
活動報告を続ける。
必要なら改善する。

その一つ一つを、できるだけ丁寧に、できるだけ早く、できるだけ正確に行うだけです。

ただ、その「当たり前」を本気でやり続けることが、実は一番難しいのだと思います。

私はこれからも、不動産をただ売るだけの営業ではなく、
お客様の人生の節目に伴走できる存在でありたいと思っています。

相続した実家をどうするか。
空き家を売るべきか、貸すべきか。
解体すべきか、現況で売るべきか。
税金を考えると、いつ売るべきか。
最終的にいくら手元に残るのか。

そうしたことで悩まれている方は、どうか一人で抱え込まないでください。

多治見の現実を知る地元の不動産会社として、
そして、学び続ける一人の営業マンとして、
正直に、現実的に、最後まで一緒に考えます。

ページの上部へ