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孤独死された実家の相続で悩むお客様へ
カテゴリ:スタッフブログ  / 投稿日付:2026/07/06 11:43

空き家を“負債”にしないための売却戦略

こんにちは。
センチュリー21サグチ不動産の佐口悟です。

最近、朝4時半に起きて勉強する時間を作っています。
不動産コンサルティング、相続、税務、建築、そして新しい技術の活用方法など、学ぶことは尽きません。

若いころは「経験があれば何とかなる」と思っていた部分もありました。
しかし、今は違います。

相続、空き家、税金、家財処分、解体、心理的な問題。
売却の相談ひとつを取っても、昔よりずっと複雑になっています。

そして、社会人になった娘を見ていても感じます。
今の若い世代は、就職や結婚を機に生活圏が大きく変わります。
名古屋、東京、大阪、あるいはもっと遠方へ。
そこで生活の基盤ができると、親御さんの家があるからといって、簡単に多治見へ戻ってくるわけではありません。

実は、不動産売却も同じです。

親御さんが大切に守ってきた家が、相続をきっかけに、子ども世代にとっては大切な思い出であると同時に、現実的な負担にもなっていく。

昨日も、まさにそのようなご相談で、あるお客様のご実家へ訪問査定に伺いました。

お母様がご自宅で亡くなられ、その後、相続した実家をどうするか。
いわゆる孤独死があった不動産の売却相談です。

非常に繊細で、簡単な言葉では片付けられないご相談でした。


「こういう相談は多いんですか?」というご質問

お客様から、会話の中でこのような趣旨のご質問がありました。

「こういう物件って、最近多いんですか?」

答えは、はっきり申し上げると、増えています

多治見市内には、高度成長期からバブル期前後にかけて造成された住宅団地が数多くあります。
名古屋のベッドタウンとして、多くの子育て世代が家を建て、家族の暮らしを築いてこられました。

しかし今、その世代の方々が70代、80代になっています。

ご夫婦二人暮らしから、お一人暮らしへ。
お子様は市外、県外へ。
そして相続が発生した後、実家が空き家になる。

これは、もう特別な話ではありません。

昔の不動産売却は、転勤、住み替え、買い替えが中心でした。
しかし今、多治見周辺で私が受ける相談の多くは、相続と終活です。


孤独死があった家は売れないのか

結論から申し上げます。

売れます。
ただし、普通の売り方では難しいです。

ここで大切なのは、感情論だけでも、価格論だけでもありません。
必要なのは、現実を直視したうえでの戦略です。

人が亡くなられた不動産の場合、買主様にどこまで、どのように説明するかは非常に重要です。
特に、買主様の判断に影響する可能性がある内容については、慎重に、そして誠実に対応しなければなりません。

私はこの点について、かなり慎重に考えています。

「言わなくても大丈夫かもしれない」
という発想ではなく、後日のトラブルを防ぐためにも、必要なことは正直に説明する。

なぜなら、売却は契約したら終わりではないからです。
買主様が後から知って「そんな話は聞いていない」となれば、売主様にとっても大きな負担になります。

だからこそ、私はこう考えています。

隠して売るのではなく、正しく伝えたうえで、納得して買ってくださる方を探す。

不動産は、100人に好かれる必要はありません。
最後に買ってくださる方は、一人でいいのです。


最初から解体すればよい、とは限りません

孤独死があった家の場合、よくあるご相談がこれです。

「建物を壊して、更地にした方が売りやすいですか?」

お気持ちはよく分かります。

建物が残っていることで、買主様が心理的に気にされるのではないか。
それなら、先に解体してしまった方がよいのではないか。

しかし私は、最初から解体ありきでは考えません。

なぜなら、解体には大きな費用がかかるからです。
また、更地にしたからといって、必ず早く高く売れるとは限りません。

今は建築費が非常に高くなっています。
土地を買って、そこに新築住宅を建てるという選択肢は、以前よりもかなりハードルが上がっています。

多治見周辺でも、土地を買って家を建てるとなると、総額がかなり大きくなるケースがあります。
そのため、以前であれば土地を買って新築を検討していた層が、今は中古住宅やリフォーム済み住宅に目を向けることも増えています。

つまり、建物を残しておくことで可能性が残る場合もあるのです。

もちろん、状態によっては解体が必要になることもあります。
しかし大切なのは、先にお金をかけることではありません。

複数の選択肢を比較し、最終的にどの方法が一番手残りを残せるかを考えること。

ここが重要です。


大切なのは「いくらで売れるか」ではなく「いくら残るか」

不動産売却で一番危ないのは、表面上の売却価格だけを見ることです。

たとえば、

「500万円で売れそうです」

と言われると、少し安心されるかもしれません。

しかし、実際にはそこからさまざまな費用が差し引かれます。

  • 仲介手数料
  • 登記関係費用
  • 家財道具の撤去処分費
  • 解体費
  • 測量費
  • 税金
  • 維持管理費
  • 遠方から通うための交通費や時間的負担

こうしたものを差し引いた後に、最終的に手元に残る現金はいくらなのか。

私はここを一番重視します。

売却価格の最大化ではなく、最終手残りの最大化。

これが、私の仕事の軸です。

場合によっては、少し高い金額で長く売り出すより、現実的な金額で早めに売却した方が、結果として手元に残るお金が多くなることもあります。

空き家は、持っているだけで費用がかかります。
固定資産税、草刈り、建物の傷み、近隣への配慮。
時間が経てば経つほど、見えない負担が増えていきます。

空き家は、放っておくと資産ではなく負債になってしまうことがあります。


私が大切にしている売却戦略

今回のような物件では、私はいきなり

「更地にしましょう」
「大きく値下げしましょう」
「買取業者に出しましょう」

とは言いません。

まずは、物件の状態、地域の需要、建築費の動向、買主様の心理、税金や諸費用まで含めて整理します。

そのうえで、いくつかの可能性を検討します。

現況のまま売る方法。
一定の条件を付けて売る方法。
必要に応じて建物の扱いを変える方法。
一般の買主様だけでなく、別の角度から需要を探る方法。

具体的な進め方は物件ごとに違います。
同じ多治見市内でも、場所、道路、駐車場、建物の状態、近隣環境によって、戦い方は変わります。

だからこそ、査定価格だけを出して終わりではいけません。

その物件をどう見せ、誰に届け、どの順番で判断していくか。

ここに、不動産会社の力量が出ると思っています。


デジタルも使います。でも最後は人です

最近は、不動産販売の現場でも、いろいろな新しい技術が使えるようになってきました。

写真の見せ方、広告の作り方、資料の作成、市場データの確認など、以前よりも工夫できることは増えています。

私も、使えるものは積極的に使います。

ただし、ここで大切なのは、技術を使うことそのものではありません。

売主様のプライバシーを守ること。
買主様に誤解を与えないこと。
物件の魅力を正しく伝えること。
そして、売主様の手残りを少しでも良くすること。

そのために、必要な範囲で新しい手法も取り入れています。

不動産業界は、まだまだアナログな部分が多い業界です。
でも、現地を見て、空気を感じて、売主様の想いを聞くというアナログな部分は絶対に必要です。

一方で、販売の見せ方や情報の届け方については、時代に合わせて変えていかなければなりません。

アナログな現場感覚と、新しい技術の活用。

この両方を持っていなければ、これからの不動産売却は難しいと感じています。


なぜ私は専任媒介にこだわるのか

こういう難しい売却ほど、私は専任媒介でお預かりしたいと考えています。

理由は、責任を持って戦略を組み、販売状況を確認し、必要に応じて改善していくためです。

一般媒介で複数の会社に依頼することが悪いわけではありません。
ただ、心理的な問題がある物件、相続が絡む物件、解体や家財処分が関係する物件では、情報の出し方や説明の仕方を間違えると、売主様に不利益が出ることがあります。

誰が、どのように説明するのか。
どこまで伝えるのか。
どの順番で進めるのか。

ここが曖昧になると、かえって売却が難しくなることもあります。

私は専任でお預かりした場合、2週間に1回を目安に活動報告を行います。

反響はあったのか。
買主様は何を気にしているのか。
価格は適正なのか。
次に何をすべきなのか。

そういったことを、売主様と共有しながら進めます。

売主様にとって一番不安なのは、

「任せたけれど、今どうなっているのか分からない」

という状態です。

私は、それをしたくありません。


空き家を負債にしないために

相続した実家には、思い出があります。

玄関。
台所。
庭。
柱の傷。
親御さんが使っていた家具。
何気ない日常の記憶。

そこには、お金だけでは測れないものがあります。

だからこそ、簡単に「処分しましょう」とは言えません。

ただ一方で、現実もあります。

空き家は、放置すると負担になります。
固定資産税がかかります。
草木が伸びます。
建物は傷みます。
近隣に迷惑がかかることもあります。
そして、時間が経つほど売却が難しくなることもあります。

大切なのは、思い出を否定することではありません。

思い出を大切にしながら、現実的な出口を作ること。

それが、私たち不動産会社の仕事だと思っています。


最後に

孤独死があった実家の売却は、簡単ではありません。

価格が下がる可能性もあります。
買主様の反応が限られる可能性もあります。
時間がかかることもあります。

でも、戦い方はあります。

告知すべきことは正直に伝える。
解体や片付けの費用を考える。
税金や諸費用を含めて、最終手残りを確認する。
売り方を一つに決めつけず、複数の可能性を検討する。
反応を見ながら、必要なタイミングで次の手を打つ。

私は、不動産をただ売る仕事をしているつもりはありません。

お客様の人生の節目に伴走し、
不安を整理し、
現実的な選択肢を示し、
最終的に少しでも良い形で次へ進んでいただく。

それが、私の仕事だと思っています。

相続した実家をどうすればいいのか。
孤独死があった家でも売れるのか。
解体すべきか、現況で売るべきか。
最終的にいくら手元に残るのか。

そうしたことで悩まれている方は、一人で抱え込まないでください。

多治見の現実を知る地元の不動産会社として、
そして、相続と売却の現場を見続けてきた一人の営業マンとして、
正直に、現実的に、最後まで一緒に考えます。

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