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「2026年07月」の記事一覧(3件)

自己破産、任意売却、それでも子どもたちの住む家を守りたいというご相談
カテゴリ:スタッフブログ  / 投稿日付:2026/07/28 14:27

こんにちは。

センチュリー21サグチ不動産の佐口悟です。

最近、車を運転しているときに、昔より少し慎重になったなと感じます。

若いころは、細い道でも「まあ行けるやろ」と思って入っていったものですが、最近はまず道幅を見ます。

対向車が来たらどうするか。
切り返しはできるか。
バックで戻れるか。
その先に逃げ道はあるか。

不動産の現地確認でも同じです。

今回ご相談いただいたお住まいも、まさに「道」が大きなポイントになる物件でした。
家そのものは新しく、駐車スペースも確保されている。
けれど、そこへ至る道路が細い。
車で入るには少し緊張する。
こういう不動産は、机の上の数字だけでは判断できません。

実は不動産売却も同じです。

一見すると、
「売ればいい」
「ローンを組み直せばいい」
「任意売却にすればいい」
「自己破産すれば整理できる」
と単純に見える話でも、実際には細い道を慎重に進むように、一つひとつ確認しなければならないことがあります。



今回のご相談は、住宅ローンの滞納、自己破産の可能性、任意売却、親族間売買、そして何より「お子様たちの住む家を守りたい」という、とても重いご相談でした。

■ 家を売る話ではなく、家族の生活をどう守るかという話

今回、最初にご相談をいただいたのはご主人様からでした。

住宅ローン以外にも負債があり、返済が難しい。
弁護士にも相談している。
自己破産も視野に入っている。
けれど、できることなら奥様とお子様たちが今の家に住み続けられる方法はないか。

そういうご相談でした。

不動産会社にこうした相談が来ると、単純に「では売却しましょう」と考える会社もあるかもしれません。

しかし、私はそうは考えません。

まず確認すべきことは、
誰が困っているのか。
誰を守りたいのか。
住宅ローンはいくら残っているのか。
他の負債はいくらあるのか。
自己破産をした場合、不動産はどう扱われるのか。
任意売却の可能性はあるのか。
奥様が住宅ローンを組める可能性はあるのか。
そもそも奥様とお子様たちは本当にその家に住み続けたいのか。

ここを整理しないまま話を進めるのは危険です。

不動産売却は、物件だけを見て判断するものではありません。
特に今回のように、住宅ローン、負債、家族関係、お子様の生活が絡む場合は、家を売る話ではなく、生活再建の話になります。

■ 「住み続けたい」という奥様の本音

奥様に直接お話を伺いました。

お子様たちは転校したくない。
今の家に住み続けたい。
自分の部屋がある環境を、できれば守ってあげたい。
少なくとも子どもたちが成長するまでは、この家で暮らしたい。

そのお気持ちは、とてもよく分かります。

大人は、事情が分かります。
お金のこと、ローンのこと、離婚のこと、破産のこと。
現実として受け止めなければならないことがあります。

でも、お子様にとっては違います。

なぜ急に引っ越さなければならないのか。
なぜ学校を変わらなければならないのか。
なぜ自分の部屋がなくなるのか。

そうしたことを、簡単に受け止められる年齢ではない場合もあります。

だからこそ、奥様は不安の中でも、
「できることならこの家を守りたい」
とおっしゃっていました。

私は、そのお気持ちを聞いたうえで、きれいごとだけは言わないようにしました。

「必ず買えます」
「必ず住み続けられます」
「大丈夫です」

そう言って安心させるのは簡単です。

でも、根拠のない安心は、後でお客様をもっと苦しめます。

だから私は、可能性はあること、ただし約束はできないこと、買えない可能性もあることを正直にお伝えしました。

■ 任意売却は魔法ではありません

今回のように住宅ローンの返済が難しくなった場合、選択肢の一つとして任意売却があります。

任意売却とは、簡単に言えば、住宅ローンの返済が困難になったときに、債権者の同意を得て不動産を売却する方法です。

ただし、ここで誤解してはいけないことがあります。

任意売却にすれば、必ず安く買えるわけではありません。
任意売却にすれば、必ず家族が住み続けられるわけでもありません。
債権者が認めなければ進みません。
買う側の住宅ローンが通らなければ買えません。
売却価格と融資可能額が合わなければ成立しません。

つまり、任意売却は魔法ではありません。

ただし、競売になってしまう前に、関係者が協議しながら現実的な出口を探せる可能性があります。

この「可能性」をどう活かすか。
ここに不動産会社の経験と調整力が出ます。

■ 自己破産を急ぐ前に、整理すべきことがある

ご主人様は、かなり精神的にも追い込まれているご様子でした。

借金から解放されたい。
自己破産すれば楽になるのではないか。
そのようなお気持ちもあったと思います。

しかし、ご家族が住んでいる家がある場合、自己破産を先に進めてしまうと、不動産の扱いが自分たちだけでは決められなくなる可能性があります。

破産手続きに入ると、裁判所や管財人が関与し、債権者のために資産を換価していく流れになることがあります。
そうなると、残されたご家族が「この家を買いたい」と思っても、必ずしも希望どおりに進められるとは限りません。

だから私は、ご主人様に対して、
「まず動く前に整理しましょう」
とお伝えしました。

負債の内容。
住宅ローンの残高。
滞納状況。
奥様の収入。
奥様がローンを組める可能性。
ご家族の意思。
親族からの援助可能性。
生活費の見通し。

これらを整理しないまま、自己破産、任意売却、離婚、名義変更と進めてしまうと、後戻りできない判断になってしまうことがあります。

不動産の仕事は、売ることだけではありません。
時には「今はまだ動かない方がいい」と伝えることも仕事です。

■ 親族間売買の難しさ

今回の大きなポイントの一つが、奥様がご主人様から家を買い取る形にできるかどうかです。

いわゆる親族間売買に近い形です。

ここは非常に難しいところです。

通常の不動産売買であれば、買主様が住宅ローンを申し込み、金融機関が審査をします。
しかし、夫婦間、親子間、親族間の売買では、金融機関が慎重になることが多いです。

なぜなら、本当に不動産購入のための融資なのか。
資金が別の目的に使われないか。
売買価格が適正なのか。
形式だけの売買ではないか。

こうした点を確認されるからです。

もちろん、今回のようにやむを得ない事情があるケースもあります。
家族の生活を守るための売買であり、目的外利用ではないと説明できる場合もあります。

それでも、どこの金融機関でも簡単に通る話ではありません。

だからこそ、金融機関、司法書士、場合によっては弁護士など、専門家と連携しながら慎重に進める必要があります。

■ 「買えるか」だけでなく「払っていけるか」

奥様が一番心配されていたのは、
「私は本当にこの家を買えるのか」
ということでした。

しかし、私はもう一つ大切なことをお伝えしました。

それは、
「買えるかどうか」と同じくらい、
「買った後に払っていけるか」が大切だということです。

住宅ローンが通ることと、生活が成り立つことは別です。

金融機関が一定額まで貸してくれるとしても、その返済額が家計に重すぎれば、また苦しくなってしまいます。

毎月の住宅ローン。
電気代。
水道代。
ガス代。
インターネット代。
固定資産税。
火災保険。
車の維持費。
お子様の教育費。
食費。
医療費。
将来の進学費用。

これらを全部見なければいけません。

不動産会社が、
「ローンが通りました。買えます。よかったですね」
で終わってしまってはいけないと思っています。

買った後に、お客様が苦しくならないか。
お子様との生活を守れるか。
そこまで考える必要があります。

私がいつも申し上げている「最終手残りを最大化する」という考え方は、売却のときだけではありません。

今回のようなケースでは、
「家を残すこと」と「生活を破綻させないこと」
この両方を見なければいけません。

■ ライフラインの名義と支払いも大切です

今回、お話を伺っていて気になったのが、電気、水道、インターネットなどの支払い状況でした。

住宅ローンの話に目が行きがちですが、実際に生活しているご家族にとっては、ライフラインが止まることの方が直近の大問題です。

電気が止まる。
インターネットが使えない。
水道料金が滞る。
請求書がどこに届いているか分からない。
誰が何を払っているか分からない。

これでは、安心して生活できません。

ですので、奥様には、まず現在の契約先や支払い状況を確認していただくようお伝えしました。

どこの電力会社か。
水道は誰の名義か。
インターネットはどこの会社か。
支払い方法はどうなっているか。
滞納はないか。
支払者を変更できるか。

こうしたことは、不動産売買の表面には出てこない話です。

でも、現実の生活ではとても大切です。

家を守るということは、登記名義や住宅ローンだけの話ではありません。
その家で、明日も普通に暮らせるかどうか。
そこまで含めて考える必要があります。

■ 道幅の問題も、価格に影響します

今回の物件は、建物そのものはまだ新しく、太陽光設備もあり、駐車スペースもあります。

しかし、現地に行くと道路の狭さが気になります。

これは不動産の価格に影響します。

買主様は、建物だけを見て判断するわけではありません。
毎日車で出入りしやすいか。
来客が来られるか。
将来、お子様が車を持ったときに困らないか。
大きな車でも入れるか。
すれ違いや切り返しはできるか。

こうしたことを見ます。

ですから、机上査定で出た価格が、そのまま市場で楽に売れる価格とは限りません。

逆に言えば、任意売却の協議をする際にも、こうした現地の事情をきちんと説明できるかどうかが大切になります。

不動産の査定は、数字だけではありません。
現地を見て、車で入り、道路を確認し、買う人の気持ちで考える。
そこまでやって初めて、実務として使える査定になります。

■ 私は味方です。でも、現実も伝えます

今回、奥様はかなり不安な表情をされていました。

それは当然です。

これまで詳しい事情を知らされていなかった。
突然、自己破産や任意売却の話が出てきた。
子どもたちは今の家に住みたいと言っている。
でも、自分が大きな住宅ローンを背負うことも怖い。
買えない可能性があると知って、さらに不安になった。

そのお気持ちは、本当によく分かります。

私は奥様に、こうお伝えしました。

「私は味方です。ただし、根拠のない安心は言いません」

できる可能性はあります。
できない可能性もあります。

家を守れる可能性はあります。
しかし、守れない場合の心構えも必要です。

不動産会社として、少しでもご希望に近づけるように動きます。
ただし、債権者、金融機関、司法書士、法律上の手続きなど、関係者が多く絡む話です。
私とお客様だけで決められる話ではありません。

だからこそ、一つひとつ確認しながら進める必要があります。

■ 専門家としての気概

こうした案件は、正直に言えば簡単ではありません。

普通の売却相談よりも時間がかかります。
金融機関との相談も必要です。
司法書士との打ち合わせも必要です。
お客様の感情にも寄り添わなければいけません。
一歩間違えれば、ご家族の住まいに大きな影響が出ます。

でも、私はこういう場面こそ、不動産会社の真価が問われると思っています。

高く売れそうな物件だけを扱う。
簡単にまとまりそうな案件だけを扱う。
それも一つの商売かもしれません。

しかし、私はそれだけをやりたいわけではありません。

困っているお客様がいる。
不安の中で、何をどう判断すればいいか分からない。
子どもたちの生活を守りたい。
でも現実のお金の問題がある。

そういう場面で、逃げずに一緒に整理する。
不動産、金融、税務、法務、地域事情を踏まえて、現実的な選択肢を示す。
これが私の仕事だと思っています。

■ 最後に

今回のご相談は、まだ結論が出たわけではありません。

奥様が住宅ローンを組めるのか。
任意売却が認められるのか。
債権者がどの金額を認めるのか。
親族からの支援が得られるのか。
最終的に今の家に住み続けられるのか。

これから確認しなければならないことがたくさんあります。

ただ、一つだけはっきりしていることがあります。

それは、お客様が守りたいものは「不動産」そのものではなく、そこにある暮らしだということです。

お子様の生活。
学校。
自分の部屋。
家族の記憶。
安心して眠れる場所。

不動産は、単なる土地と建物ではありません。
人の暮らしが乗っています。

だからこそ、売るにしても、残すにしても、簡単に判断してはいけません。

住宅ローンの返済が厳しい。
任意売却を考えている。
自己破産の前に家のことを整理したい。
離婚や家族関係が絡んでいて、どうすればいいか分からない。
相続や空き家だけでなく、今住んでいる家をどう守るか悩んでいる。

そうした方は、一人で抱え込まないでください。

多治見市周辺の不動産事情を知る地元の会社として、
そして、不動産売買だけでなく、お客様の人生の節目に向き合う専門家として、
できること、できないことを正直にお伝えしながら、現実的な道筋を一緒に考えます。

長崎県からわざわざ多治見へ。
カテゴリ:スタッフブログ  / 投稿日付:2026/07/09 18:24

同業の社長ご夫妻と語り合った「売却相談をいただくための仕組み」と、私が大切にしていること
こんにちは。
センチュリー21サグチ不動産の佐口悟です。

最近、車の中で少し変わった勉強をしています。

何をしているかというと、資格試験の過去問解説をAIに音声化させて、それを移動中に聞いています。
昔なら、過去問集を開いて、赤ペンを持って、机に向かって勉強するのが当たり前でした。

もちろん今でも紙の勉強は大切です。
ただ、年齢を重ねると、座っている時間だけでは足りません。
査定に行く移動時間、現地確認に向かう車中、名古屋へ行く電車の中。
そういう細切れの時間も、うまく使わないともったいないなと思うようになりました。

AIが読み上げる過去問解説を聞きながら、
「この論点は、相続案件のときにお客様へ説明する場面があるな」
「この税務の考え方は、売却後の手残りに直結するな」
そんなことを考えています。

実は、不動産売却も同じです。

昔ながらの経験や勘だけでは、今の複雑な売却相談には対応しきれません。
相続、空き家、税金、解体費、家財処分、建築費高騰、人口減少、そしてネットからの査定依頼。
お客様の悩みは、以前よりもずっと複雑になっています。

だからこそ、私自身も学び続けなければいけません。

そんなことを改めて感じた出来事がありました。

先日、長崎県で不動産会社を経営されている社長と奥様が、わざわざ多治見の弊社までお越しくださいました。
目的は、私が日頃行っている売却相談への対応や、いわゆる「物上げ」の考え方を学ぶためです。

長崎から岐阜県多治見市までです。
決して近い距離ではありません。

同業の方が、そこまでして来てくださる。
これはありがたいことでもあり、同時に、私自身も身が引き締まる時間でした。

「物上げ」とは、単に売主様を探すことではありません

不動産業界では、売却物件をお預かりする活動を「物上げ」と呼ぶことがあります。

ただ、私はこの言葉があまり好きではありません。

なぜなら、「物件を取る」という業者目線の響きがあるからです。

私が大切にしているのは、物件を取ることではありません。

売主様が抱えている不安を整理し、最終的に手元に残るお金を最大化すること。

ここが一番大切です。

お客様は、単に
「いくらで売れますか」
と聞かれているようで、実はその奥に別の不安を抱えておられます。

例えば、

税金はいくらかかるのか
解体した方がいいのか
家財はどう処分すればいいのか
空き家のまま放置して大丈夫なのか
相続人同士で何を確認すべきか
いつ売るのが一番よいのか
売った後に手元にいくら残るのか
こうしたことです。

ですから、査定価格だけを伝える営業では足りません。

「高く売れます」
「うちは頑張ります」
「広告を出します」

これだけなら、どこの不動産会社でも言えます。

でも、お客様が本当に知りたいのはそこではありません。

売った後、自分はいくら残るのか。
そして、安心して次に進めるのか。

ここです。



同業の社長ご夫妻にお話ししたこと

今回の勉強会では、かなり長い時間、実務の話をさせていただきました。

ただし、ここでは具体的な細かな手順や設定方法は書きません。
同業他社の方もこのブログをご覧になっている可能性がありますので、そこは企業秘密です。

ただ、考え方だけはお伝えしたいと思います。

私が売却相談で大切にしているのは、大きく分けると次の4つです。

1. 初動の速さ

ネットから査定依頼をされるお客様は、複数の不動産会社へ同時に依頼されていることが多いです。

その中で大切なのは、単に早く電話をすることではありません。

早く、しかし雑ではなく。
早く、しかし薄っぺらくなく。
早く、しかしお客様にとって意味のある情報を届ける。

ここが大切です。

お客様は、電話で追いかけ回されたいわけではありません。
「この会社は、ちゃんと自分の不動産を見てくれている」
「この人は、表面的な査定ではなく、事情まで考えてくれそうだ」
そう感じていただくことが大切です。

2. 査定書は価格表ではなく、信頼をつくる資料

私にとって査定書は、単なる金額提示の紙ではありません。

お客様と話をするための土台です。

地域の状況、道路、駐車場、建物の状態、周辺環境、ハザード、人口動態、建築費の影響、税金、諸経費。
そうしたものをできる限り整理し、お客様が判断しやすい形にしていきます。

ただし、難しい専門用語を並べるだけでは意味がありません。

「なぜこの価格なのか」
「なぜ今この売り方なのか」
「なぜ解体を先にしない方がよい場合があるのか」
「なぜ最終手残りを見なければならないのか」

そこまでお伝えして、初めて査定報告だと思っています。

3. 専任媒介にこだわる理由

私は、売却をお任せいただく際、基本的に専任媒介にこだわっています。

これは、こちらの都合だけではありません。

責任を持って販売戦略を組み、販売状況を確認し、2週間に1回の活動報告を行い、必要であれば価格や見せ方を見直す。
そこまでやるには、やはり腰を据えてお任せいただく必要があります。

一般媒介で複数社に依頼することが悪いとは言いません。

ただ、情報の出し方がバラバラになったり、責任の所在が曖昧になったり、売れない理由の分析ができなくなったりすることがあります。

私は、お客様の大切な財産をお預かりする以上、
「なんとなく広告を出して、あとは待つ」
という売り方はしたくありません。

専任でお預かりするからには、こちらも覚悟を持ちます。

4. テクノロジーは、お客様のために使う

今回、長崎から来られた社長ご夫妻も驚かれていたのが、私が日常業務でかなりテクノロジーを使っていることでした。

音声の記録、会話内容の整理、追客管理、資料作成、広告の見せ方、画像の工夫、市場データの確認。
今は、昔では考えられなかったことができる時代です。

ただし、私はテクノロジーを見せびらかしたいわけではありません。

目的は一つです。

お客様の不安を減らし、判断しやすくし、最終手残りを少しでも良くすること。

例えば、居住中の物件や家財が残っている物件では、売主様のプライバシーに配慮しながら、買主様に伝わりやすい見せ方を工夫することがあります。

古い住宅の場合も、ただ「古い家です」と見せるだけでは、買主様はなかなか前向きになれません。
しかし、使い方や可能性が伝われば、見方が変わることがあります。

もちろん、広告として誤解を与えないことが大前提です。
そのうえで、買主様が暮らしをイメージしやすくなる工夫をする。

ここは、これからの不動産会社にとって非常に大切だと感じています。

多治見の現実を、正直に伝える

今回の勉強会でも、多治見の地域性についてお話ししました。

多治見市は、名古屋のベッドタウンとして発展してきた街です。
高度成長期からバブル期にかけて、多くの住宅団地ができ、多くのご家族が暮らしを築いてこられました。

しかし今、その世代の方々が高齢になっています。

お子様は名古屋、東京、大阪、あるいは県外へ。
親御様だけが実家に残り、やがて相続が発生する。
そして空き家になる。

この流れは、多治見だけではありません。
長崎でも、地方都市では同じような問題が起きていると、社長ご夫妻もおっしゃっていました。

一方で、建築費は上がっています。
土地を買って新築を建てるハードルは高くなっています。
若い世代の住宅取得の考え方も変わっています。

だから、昔のように
「土地にして売ればすぐ売れる」
「古い家は壊せばよい」
という単純な話ではなくなっています。

地域の需要、買主様の予算、建築費、解体費、リフォーム費、税金。
それらを全部見たうえで、どう売るかを考えなければいけません。

私は、お客様に厳しいことも言います。

「この価格では時間がかかると思います」
「先に解体するのは慎重に考えた方がよいです」
「表面価格よりも、手残りで判断した方がよいです」
「売る時期を間違えると、税金や保険料に影響する場合があります」

こうした話は、耳ざわりのよい話ではありません。

でも、私はお客様にとって都合のよいことだけを言う営業ではいたくありません。
後で困るのはお客様だからです。

手法よりも大切なもの

勉強会の中では、具体的なシステムの使い方や、売却相談への対応方法、査定書の見せ方、追客の考え方など、かなり実務的な話もしました。

ただ、最後に思ったのは、手法そのものよりも大切なものがあるということです。

それは、気概です。

お客様の大切な財産を預かる覚悟。
売れない理由を物件のせいだけにしない姿勢。
活動報告をきちんと続ける誠実さ。
税金や諸費用まで考えて、最終手残りを守ろうとする責任感。
新しい技術を学び続ける姿勢。
そして、面倒なことから逃げないこと。

不動産会社の仕事は、華やかに見える部分ばかりではありません。

査定書を作る。
現地を見る。
登記を確認する。
過去の事例を調べる。
税金を確認する。
お客様に報告する。
反響が悪ければ原因を考える。
値下げの相談をする。
クレームがあれば正面から受け止める。

地味な仕事の積み重ねです。

でも、その地味な仕事をどこまで丁寧にできるか。
そこに、不動産会社の差が出ると思っています。

同業の方が学びに来てくださる意味

正直に言えば、同業の方に自分のやり方を話すことには、少し怖さもあります。

自分が長年かけて作ってきた仕組みです。
失敗しながら、改良しながら、ようやく今の形になってきました。

簡単に真似されてしまっては困る部分もあります。

それでも今回、長崎から来てくださった社長ご夫妻とは、とても良い時間を過ごすことができました。

なぜなら、単にノウハウを盗みに来られたのではなく、
「どうすればお客様にもっと良い提案ができるか」
「どうすれば売主様に選ばれる会社になれるか」
という真剣な姿勢を感じたからです。

不動産業界は、まだまだ変わらなければいけない業界です。

昔ながらの勘と根性だけではなく、
データも使う。
AIも使う。
でも最後は人間が責任を持つ。

このバランスが必要です。

最後に

今回、長崎県から同業の社長ご夫妻が来店され、私自身も改めて多くのことを考えました。

私がやっていることは、特別な魔法ではありません。

お客様の話を聞く。
現地を見る。
数字を確認する。
税金や諸費用を考える。
売却後の手残りを考える。
販売戦略を立てる。
活動報告を続ける。
必要なら改善する。

その一つ一つを、できるだけ丁寧に、できるだけ早く、できるだけ正確に行うだけです。

ただ、その「当たり前」を本気でやり続けることが、実は一番難しいのだと思います。

私はこれからも、不動産をただ売るだけの営業ではなく、
お客様の人生の節目に伴走できる存在でありたいと思っています。

相続した実家をどうするか。
空き家を売るべきか、貸すべきか。
解体すべきか、現況で売るべきか。
税金を考えると、いつ売るべきか。
最終的にいくら手元に残るのか。

そうしたことで悩まれている方は、どうか一人で抱え込まないでください。

多治見の現実を知る地元の不動産会社として、
そして、学び続ける一人の営業マンとして、
正直に、現実的に、最後まで一緒に考えます。

孤独死された実家の相続で悩むお客様へ
カテゴリ:スタッフブログ  / 投稿日付:2026/07/06 11:43

空き家を“負債”にしないための売却戦略

こんにちは。
センチュリー21サグチ不動産の佐口悟です。

最近、朝4時半に起きて勉強する時間を作っています。
不動産コンサルティング、相続、税務、建築、そして新しい技術の活用方法など、学ぶことは尽きません。

若いころは「経験があれば何とかなる」と思っていた部分もありました。
しかし、今は違います。

相続、空き家、税金、家財処分、解体、心理的な問題。
売却の相談ひとつを取っても、昔よりずっと複雑になっています。

そして、社会人になった娘を見ていても感じます。
今の若い世代は、就職や結婚を機に生活圏が大きく変わります。
名古屋、東京、大阪、あるいはもっと遠方へ。
そこで生活の基盤ができると、親御さんの家があるからといって、簡単に多治見へ戻ってくるわけではありません。

実は、不動産売却も同じです。

親御さんが大切に守ってきた家が、相続をきっかけに、子ども世代にとっては大切な思い出であると同時に、現実的な負担にもなっていく。

昨日も、まさにそのようなご相談で、あるお客様のご実家へ訪問査定に伺いました。

お母様がご自宅で亡くなられ、その後、相続した実家をどうするか。
いわゆる孤独死があった不動産の売却相談です。

非常に繊細で、簡単な言葉では片付けられないご相談でした。


「こういう相談は多いんですか?」というご質問

お客様から、会話の中でこのような趣旨のご質問がありました。

「こういう物件って、最近多いんですか?」

答えは、はっきり申し上げると、増えています。

多治見市内には、高度成長期からバブル期前後にかけて造成された住宅団地が数多くあります。
名古屋のベッドタウンとして、多くの子育て世代が家を建て、家族の暮らしを築いてこられました。

しかし今、その世代の方々が70代、80代になっています。

ご夫婦二人暮らしから、お一人暮らしへ。
お子様は市外、県外へ。
そして相続が発生した後、実家が空き家になる。

これは、もう特別な話ではありません。

昔の不動産売却は、転勤、住み替え、買い替えが中心でした。
しかし今、多治見周辺で私が受ける相談の多くは、相続と終活です。


孤独死があった家は売れないのか

結論から申し上げます。

売れます。
ただし、普通の売り方では難しいです。

ここで大切なのは、感情論だけでも、価格論だけでもありません。
必要なのは、現実を直視したうえでの戦略です。

人が亡くなられた不動産の場合、買主様にどこまで、どのように説明するかは非常に重要です。
特に、買主様の判断に影響する可能性がある内容については、慎重に、そして誠実に対応しなければなりません。

私はこの点について、かなり慎重に考えています。

「言わなくても大丈夫かもしれない」
という発想ではなく、後日のトラブルを防ぐためにも、必要なことは正直に説明する。

なぜなら、売却は契約したら終わりではないからです。
買主様が後から知って「そんな話は聞いていない」となれば、売主様にとっても大きな負担になります。

だからこそ、私はこう考えています。

隠して売るのではなく、正しく伝えたうえで、納得して買ってくださる方を探す。

不動産は、100人に好かれる必要はありません。
最後に買ってくださる方は、一人でいいのです。


最初から解体すればよい、とは限りません

孤独死があった家の場合、よくあるご相談がこれです。

「建物を壊して、更地にした方が売りやすいですか?」

お気持ちはよく分かります。

建物が残っていることで、買主様が心理的に気にされるのではないか。
それなら、先に解体してしまった方がよいのではないか。

しかし私は、最初から解体ありきでは考えません。

なぜなら、解体には大きな費用がかかるからです。
また、更地にしたからといって、必ず早く高く売れるとは限りません。

今は建築費が非常に高くなっています。
土地を買って、そこに新築住宅を建てるという選択肢は、以前よりもかなりハードルが上がっています。

多治見周辺でも、土地を買って家を建てるとなると、総額がかなり大きくなるケースがあります。
そのため、以前であれば土地を買って新築を検討していた層が、今は中古住宅やリフォーム済み住宅に目を向けることも増えています。

つまり、建物を残しておくことで可能性が残る場合もあるのです。

もちろん、状態によっては解体が必要になることもあります。
しかし大切なのは、先にお金をかけることではありません。

複数の選択肢を比較し、最終的にどの方法が一番手残りを残せるかを考えること。

ここが重要です。


大切なのは「いくらで売れるか」ではなく「いくら残るか」

不動産売却で一番危ないのは、表面上の売却価格だけを見ることです。

たとえば、

「500万円で売れそうです」

と言われると、少し安心されるかもしれません。

しかし、実際にはそこからさまざまな費用が差し引かれます。

  • 仲介手数料
  • 登記関係費用
  • 家財道具の撤去処分費
  • 解体費
  • 測量費
  • 税金
  • 維持管理費
  • 遠方から通うための交通費や時間的負担

こうしたものを差し引いた後に、最終的に手元に残る現金はいくらなのか。

私はここを一番重視します。

売却価格の最大化ではなく、最終手残りの最大化。

これが、私の仕事の軸です。

場合によっては、少し高い金額で長く売り出すより、現実的な金額で早めに売却した方が、結果として手元に残るお金が多くなることもあります。

空き家は、持っているだけで費用がかかります。
固定資産税、草刈り、建物の傷み、近隣への配慮。
時間が経てば経つほど、見えない負担が増えていきます。

空き家は、放っておくと資産ではなく負債になってしまうことがあります。


私が大切にしている売却戦略

今回のような物件では、私はいきなり

「更地にしましょう」
「大きく値下げしましょう」
「買取業者に出しましょう」

とは言いません。

まずは、物件の状態、地域の需要、建築費の動向、買主様の心理、税金や諸費用まで含めて整理します。

そのうえで、いくつかの可能性を検討します。

現況のまま売る方法。
一定の条件を付けて売る方法。
必要に応じて建物の扱いを変える方法。
一般の買主様だけでなく、別の角度から需要を探る方法。

具体的な進め方は物件ごとに違います。
同じ多治見市内でも、場所、道路、駐車場、建物の状態、近隣環境によって、戦い方は変わります。

だからこそ、査定価格だけを出して終わりではいけません。

その物件をどう見せ、誰に届け、どの順番で判断していくか。

ここに、不動産会社の力量が出ると思っています。


デジタルも使います。でも最後は人です

最近は、不動産販売の現場でも、いろいろな新しい技術が使えるようになってきました。

写真の見せ方、広告の作り方、資料の作成、市場データの確認など、以前よりも工夫できることは増えています。

私も、使えるものは積極的に使います。

ただし、ここで大切なのは、技術を使うことそのものではありません。

売主様のプライバシーを守ること。
買主様に誤解を与えないこと。
物件の魅力を正しく伝えること。
そして、売主様の手残りを少しでも良くすること。

そのために、必要な範囲で新しい手法も取り入れています。

不動産業界は、まだまだアナログな部分が多い業界です。
でも、現地を見て、空気を感じて、売主様の想いを聞くというアナログな部分は絶対に必要です。

一方で、販売の見せ方や情報の届け方については、時代に合わせて変えていかなければなりません。

アナログな現場感覚と、新しい技術の活用。

この両方を持っていなければ、これからの不動産売却は難しいと感じています。


なぜ私は専任媒介にこだわるのか

こういう難しい売却ほど、私は専任媒介でお預かりしたいと考えています。

理由は、責任を持って戦略を組み、販売状況を確認し、必要に応じて改善していくためです。

一般媒介で複数の会社に依頼することが悪いわけではありません。
ただ、心理的な問題がある物件、相続が絡む物件、解体や家財処分が関係する物件では、情報の出し方や説明の仕方を間違えると、売主様に不利益が出ることがあります。

誰が、どのように説明するのか。
どこまで伝えるのか。
どの順番で進めるのか。

ここが曖昧になると、かえって売却が難しくなることもあります。

私は専任でお預かりした場合、2週間に1回を目安に活動報告を行います。

反響はあったのか。
買主様は何を気にしているのか。
価格は適正なのか。
次に何をすべきなのか。

そういったことを、売主様と共有しながら進めます。

売主様にとって一番不安なのは、

「任せたけれど、今どうなっているのか分からない」

という状態です。

私は、それをしたくありません。


空き家を負債にしないために

相続した実家には、思い出があります。

玄関。
台所。
庭。
柱の傷。
親御さんが使っていた家具。
何気ない日常の記憶。

そこには、お金だけでは測れないものがあります。

だからこそ、簡単に「処分しましょう」とは言えません。

ただ一方で、現実もあります。

空き家は、放置すると負担になります。
固定資産税がかかります。
草木が伸びます。
建物は傷みます。
近隣に迷惑がかかることもあります。
そして、時間が経つほど売却が難しくなることもあります。

大切なのは、思い出を否定することではありません。

思い出を大切にしながら、現実的な出口を作ること。

それが、私たち不動産会社の仕事だと思っています。


最後に

孤独死があった実家の売却は、簡単ではありません。

価格が下がる可能性もあります。
買主様の反応が限られる可能性もあります。
時間がかかることもあります。

でも、戦い方はあります。

告知すべきことは正直に伝える。
解体や片付けの費用を考える。
税金や諸費用を含めて、最終手残りを確認する。
売り方を一つに決めつけず、複数の可能性を検討する。
反応を見ながら、必要なタイミングで次の手を打つ。

私は、不動産をただ売る仕事をしているつもりはありません。

お客様の人生の節目に伴走し、
不安を整理し、
現実的な選択肢を示し、
最終的に少しでも良い形で次へ進んでいただく。

それが、私の仕事だと思っています。

相続した実家をどうすればいいのか。
孤独死があった家でも売れるのか。
解体すべきか、現況で売るべきか。
最終的にいくら手元に残るのか。

そうしたことで悩まれている方は、一人で抱え込まないでください。

多治見の現実を知る地元の不動産会社として、
そして、相続と売却の現場を見続けてきた一人の営業マンとして、
正直に、現実的に、最後まで一緒に考えます。

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